働くママと子供の毎日をもっと素敵に。MAMAPLA(ママプラ)

ハート 5024

どうして小さい子はすぐ忘れちゃうの?幼児性健忘について

えーっ?忘れちゃったの?

小さい頃の記憶、どのくらい覚えていますか?先日、子どもと近所のファミレスに食事に行った時のことです。近くのテーブルで2歳ぐらいの子と母親の親子連れがいました。食事が来るのを待つあいだお母さんが手遊び歌を歌ってあげていました、娘に「あなたもあの歌好きだったよね、一緒に歌ったの覚えてる?」と聞いたら「全く覚えていない」というのです。えーっ?毎日毎日、飽きるほど繰り返していたのに。
親の立場ではちょっとショックですが、小さい頃のことを忘れてしまうのは、珍しいことではありません。
誰でも、親戚のおじさんおばさんに「昔あんなに遊んだのに忘れちゃったの」と残念がられたり、小さい頃の写真を見ても全く覚えていなかったりといった経験があるのではないでしょうか。
それがあたりまえ、と思っていましたが、脳が発達する幼児期のことをあっさり忘れちゃうというのは、よく考えてみるとかなりちょっと不思議です。

忘れるのはエピソード記憶

小さい頃の記憶をなくしてしまうことを学術的には「幼児健忘症(childhood amnesia)」と呼ぶそうですが、すべてを忘れちゃうわけではありません。
赤ちゃんはお母さんの顔を覚えて後追いをしますし、キャラクターを覚えて好きになったりします。
さらに幼児期に私たちは生活に必要な多くのことを学び、できるようになります。言葉を話せるようになるのをはじめ、歩いたり走ったり、洋服の着方、手洗い…できるというのは、覚えているということ。つまりずっと忘れていないということです。
それなのに「小さい頃のことは覚えていない」と感じるのはなぜかというと、「いつどこで何をした」という体験(エピソード記憶)を覚えていないせいなのだとか。
エピソード記憶の発達はかなり遅くて4~5歳くらいになるそうです。保育園の年中から年長さん、お友達と集団遊びができるようになったくらいのころですから、社会性の発達などと関係があるのかも知れませんね。

脳の発達が原因

さて、この幼児期健忘はなぜ起こるのか、まだはっきり解明されてはいません。しかし、脳の発達と大きく関わっていると言われています。
次のふたつの説があります。

(1)記銘の失敗…乳幼児期には記憶することが上手ではなくうまく記憶できないという説
(2)検索の失敗…あとで発達した神経ネットワークに紛れて思い出せなくなっているという説
(2)のほうが有力だそうです。つまり完全に忘れて消え去ってしまうのではなく、脳の発達の途中で、どこか奥のほうに隠れて思い出せなくなっているんですね。
ですから、たとえ「2歳の時にあの歌が大好きだった」ということを覚えていなくても、一緒に謳ったという経験は消えるものではありません。
たぶん、脳内の取り出せないほど奥の方に、ひっそりと大切に保管されているのでしょう。
逆に言えば「どうせ赤ちゃんは覚えていないから」なんていうのはNG。覚えていなくても、優しく抱っこしてもらったり、家族に大切にされた経験は、その人のどこかに残っています。
宝物を土台に埋め込むような気持ちで接するといいのかも知れませんね。

参考資料:日本心理学会「心理学ってなんだろう」

(文・曽田 照子)

提供元:camily(キャミリー)

camily(キャミリー)

キャミリーは、働くママとパパ、家族の気持ちをラクにする情報サイト。仕事と子育ての両立、育休からの仕事復帰、働くママの育児、生活・家事の時短テクニック、育児マンガなどを多数掲載。