子供の「大好き」を、知育に生かそう 電車好きな子はお得! 数字・文字・地図・時間に強くなる
子供が夢中になるものといえば、戦隊もの、キャラクター、恐竜、昆虫、動物…。中でも、一大勢力を誇るのが「電車」です。
踏切を走り抜ける電車に釘付けになったり、電車イラストのTシャツを嬉しそうに着たり、我が子が「鉄っちゃん」になってしまった…と嘆くママもいるのでは?
自分の分からない世界だから、面白くないと思っていてはもったいない!
電車って、実は知育にものすごく使えるんです。
子供の興味を使って、無理なく「色」「数」「文字」に親しみ、大きくなれば「時間」や「地図」にも広がる、鉄道知育のノウハウをお伝えします。
知りたい気持ちが、子供の学びをどんどん引き出す。電車は生きた教材です。

子供が言葉を話し始めると、次は、色、数、文字と色々教えてあげたいですよね。
絵本や知育グッズで教えるのもいいのですが、子供の自発的な「興味・関心」から湧き出た知的好奇心に応えてあげると、驚くほどの吸収力を見せてくれます。
実は、電車や鉄道には、色や数、文字に関する要素がたくさんあるんです。
駅や電車は、「動く教材」といっても過言ではありません。
電車好きの子の「自発的な知的好奇心」=電車のことなら何でも知りたい!という気持ち。
その気持ちがエンジンとなり、様々な知識がどんどん頭の中に入っていきますよ。
電車に詳しくないママも、大丈夫。
絵本や知育グッズだと思って、電車を捉えてもらえば、きっと興味のなかった電車の話も弾むはずです。
それでは、一つずつ見ていきましょう。
①色 ~電車や路線の色で、色の名前を覚えよう~

色に名前があることについては、早い子では2歳ごろから認識すると言われているようです。
「色」の教材として、電車を見てみましょう。
・路線の色
・電車の外装
・普通、快速、特急などの色分け
どれもハッキリと分かりやすい色が使われているのが特徴です。
たとえば、地下鉄の路線図を見ている子供に、「これは青だね」「赤は○○線だね」と話しかけてみてください。
何度か繰り返していれば、色に名前があることは、すんなり理解してくれるでしょう。
外装とは、JR東日本の人気新幹線、「はやぶさ(緑)」「こまち(赤)」「かがやき(青)」に代表されるように、電車に塗ってある色です。
ローカル線でも色んな色の電車が走っていますよね。
これも色を覚える教材として、もってこいです。興味があるので、スッと入ります。
私の息子(筋金入りの電車好き)は、電車を見ながら、色を一緒に言っていたら、自然に覚えてしまいました。
駅に行くたびに聞かれ、電車を見るたびに聞かれるので、ちょっと手間はかかりますが、その都度、根気強く教えてあげましょう。
②数字&数の概念 ~駅やホームには数字がいっぱい。数の大小も体験できる~

文字として一番最初に読めるようになるのが、数字です。
また、1、2、3と数を数えたり、どちらの方が多いのか?といった、数の大小についての概念も芽生えてきます。
さて、駅に行ってみましょう。駅には数字があふれています。
ホームの番号、何号車、出口の番号、運賃表、最近は駅ごとに振られた駅番号もありますね。
また、ホームに入ってきた電車が、何両編成か数えることで、数が多いと長い、数が少ないと短い、という数の大小を体験的に学べます。
電車の車両には、1000系とか5000系という数字が書いています。
この車両番号を読んでほしいと言われて読んでいれば、特に教えなくても、4ケタの数字も読めるようになっていきます。
興味があれば、ある意味丸ごと覚えられるのが子供の素晴らしい能力の一つ。
これを利用しない手はありませんよ。
お子さんと一緒に駅に行って、数字を見つけるところから始めてみてくださいね。
③文字 ~駅や電車が、意外にもひらがなの勉強にぴったりな理由~

3歳を過ぎると、だんだん文字(ひらがな)が読めるようになってきます。
今まで、たくさんの電車の名前を音だけで覚えていたのが、文字と結びついていく時期です。
意識してみると、電車や駅にはひらがながいっぱい。
駅名には、ひらがなが必ず併記してあります。
また、新幹線や特急の名前は、ひらがなが使われることが多いです。
「ひかり」「のぞみ」「はやぶさ」「こまち」等。
子供の「あのカッコいい新幹線の名前、知りたい!」という気持ちが、文字を覚える力をグングン引き出します。
駅に行かなくても、電車の絵本や図鑑で、ひらがなを読むことができます。
ただの絵本ではなく、大好きな電車が載っている=読みたい!という自発的な気持ちが、文字をどんどん身近にしてくれます。
興味がなければ、ただの勉強になってしまいますが、電車好きの子にとっては、文字を読むのも楽しくて仕方がないことに変身するんですね。
④地図&地理感覚 ~路線図や鉄道地図で、上下左右・東西南北・距離感が養える~

電車の路線図の前から、子供が一歩も動かなくなってしまった…。
そんな経験のあるママもいるのでは?
カラフルな線で、駅がたくさん書いてある地図は、電車好きの子にはワクワクする要素が詰まったお宝地図なんです。
その路線図を飽きるほど見るうちに、上下左右、遠い・近いという感覚が自然に培われます。
また、日本には全国各地に個性豊かな電車や特急が走っています。
写真のような全国地図をお風呂に貼って見ていれば、日本全体の形の把握、東北・九州などの地方名(大きくなれば都道府県名も)、距離感、東西南北の感覚も無意識に獲得できます。
実際に電車に乗っていれば、山・海・川・橋・トンネル・地下など、様々な地形が現れます。
本で読んで知っているだけでなく、体感して知っている。
この違いは大きいです。生きた学びは何にも代えがたい経験となります。
国内旅行をしても、海外旅行をしても、「電車」をキーワードに興味を広げていけますよ。
⑤時間 ~目に見えない時間を体感できる要素がいっぱい~

子供にとって、身に付けにくいという「時間感覚」。
1分がどういう長さなのか? そもそも時間って何?
質問されても、ママにはなかなか説明しづらく、教えにくいのも時間感覚です。
時計の読み方は分かっても、この感覚をつかむのとは別問題ですよね。
電車と時間は、切っても切れない深ーいつながりがあります。
駅へ行ってみましょう。
ホームには時計があり、発車案内板には発車時刻が表示されています。
電車を見送り、次の電車が来るまでの間隔。
それが「5分」であり、「10分」よりは短いのかな?と感覚で学んでいきます。
流れる時間、目に見えない時間を、体感できるのです。
「新幹線は1時間に何本も走ってるんだね」
「この電車は、終点に着くまで30分かかるんだって」
一緒に電車を見ながら、話す言葉にも、時間がどんどん出てきます。
普段の遊びで、これほど時間を登場させることは難しいでしょう。
電車が生活に密着しているからこその特長ですね。
時間の感覚が養われている子なら、「家を出るまで、あと5分しかないよ!」の声掛けも、効果が違ってくるでしょう。
まとめ
色、数字、文字、地図、時間。電車が様々な切り口で、子供の学びに役立つことをご紹介しました。
子供が興味を持つ対象で、これほど子供の暮らしに関連の強いものがあるでしょうか?
戦隊ものや恐竜、キャラクターは、自由な想像力を広げられるものですが、リアルな存在ではありません(否定しているわけではありません)。
電車をはじめとする乗り物全般は、子供たちの生活にも密着し、常に目にして触れることのできる、リアルなおもちゃであり、優れた教材なのです。
鉄っちゃんの子供を持つママは、自分が鉄道ファンになる必要はありません。子供の興味に寄り添い、理解し、子供目線で電車を見て、自発的な学びを応援すること。そんな風に、ポジティブに、電車の世界を楽しんでもらえるといいなと思います。