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【インタビュー】テレビ局プロデューサーのママがこれからやりたいこととは
子育てに家事に仕事にと毎日忙しい働くママ。働くママは育児と仕事をどのようにして両立しているのでしょうか?今回は、2人のお子さんを育てながら、【日本テレビ放送網 株式会社】に勤務されている大澤弘子さんにお話を伺いました。
番組制作で仕事に夢中だった20代を経て30代で出産
子供の頃から転校が多かったため新しいコミュニティに入っていく術を自然と身に付けたという大澤さん。そんな自分のスキルをいかせるのは人に会ってものを売る営業職だと考え、営業職に絞って就職活動をされていたそうです。
どのような思いでテレビ局を志望されたのでしょうか?
営業職を希望していたものの、入社後に研修を受けるうちに徐々に番組制作に関わりたいという思いが強くなっていったそう。願いが叶って番組制作部門に配属され、多忙な日々がスタートします。
32歳の時にはゴールデン番組の総合演出に抜擢されます。しかしなかなか思い通りの結果が出ず悩む日々。
担当の番組が一区切りつき、改めて『自分が何をやりたいのか』自分の中で振り返った時、細かな部分にまでこだわりをもって演出をするよりも、企画を立ててそれを実現するために色々な人の協力を得ることが自分らしいと。自分はディレクターよりもプロデューサーの方が向いているのではと考えました。」
その後は順調にキャリアを築き、33歳の時に結婚されます。
ご主人とはどのように出会われたのでしょうか?
夫も妻もやりたい気持ちがあるなら働くのが自然という考え方は一致していたという大澤さん夫妻。結婚後もバリバリと仕事していた大澤さんですが、30代半ばになり、ある日ふと、いわゆる「高齢出産」にさしかかる年齢になっていることに気づき、出産について考えるようになります。
協力的なご主人と築くフェアな夫婦関係
テレビ局での仕事はとてもお忙しいと思いますが、出産や育児ではどのような工夫をされたのでしょうか?
最近でこそ育休を取得する男性も増えてきましたが、それも1ヶ月程度という例も少なくありません。
まだ育休をとる男性が少なかった当時、大澤さんのご主人は9ヶ月もの育休を取得しています。周囲から理由を聞かれたご主人は『それがフェアだと思ったから』と語っていたそうです。
今でも子供の食事はご主人が担当。夕食は、週末や朝にご主人が作りおきしておき、シッターさんに温めて出してもらうようにしていています。」
▲ご主人のお料理は和食が中心
▲冷蔵庫で保存がきくお惣菜を中心に週末にまとめて作り置き。お弁当にちょっとずつ詰めたり、夕飯の副菜に使っている。
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4:45
ご主人が子供の朝食とお弁当作り
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5:00
起床、身支度
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6:40
子供と一緒に家を出て駅まで送って出勤
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7:10
出社して仕事を開始
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18:30
会社を出る
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19:00
子供が夕食を食べている頃に帰宅、シッターさんを見送る
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19:30
子供とおしゃべりしたり、テレビドラマを見たりして過ごす
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21:00
子供が寝た後は眠くなるまで自由時間
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23:30
就寝
子供たちに合わせて、一緒に家を出る大澤さん。誰もいない朝のオフィスで、集中して仕事する。残業できない分を取り返したり、落ち着いて考えごとをする大事な時間だそうです。
働くママとして、子供の勉強を見てあげられないことが悩み。働くママの多くが抱える悩みだと思います。大澤さんは手作りの漢字テストを作ったり、交換読書感想文をして本の感想を伝えあったりと、子供と少しでもコミュニケーションができるように努力されています。
▲大澤さん自作の漢字テスト
▲次女が年長の頃のお手紙。帰宅が遅くなった日にはベッドにお手紙がおいてあったそう。
子供たちにはそれぞれの『北極星』を見つけてほしい
御社の CSR 活動「ママモコモ」立ち上げの経緯やきっかけを教えてください。
「その後、社内でその動きに目が留まり、番組とイベント、WEBを使った発信をスタートさせることに。賛同してくださる企業も加ってビジネスとして走り出しました。働くママの増加など時代背景も追い風だったと思います。」
▲ママモコモてれび主催で行われたクリスマスイベントの様子
次女はミルクに少しアレルギーがあったんですが、某大手乳製品メーカーさんのアレルギー対応ミルクがあったおかげで助かったんです。それをプレゼンの時にお話したらすごく喜んでくださって。商品を理解しているプロデューサーと仕事ができるならと、スポンサーになって下さいました。」
子供を産み、育てる経験が仕事でも活きている大澤さん。子育てしている当事者だからこそ持ち得る説得力が、人の心を動かす熱量となっているんですね。
今後の仕事についてのビジョンをお聞かせください。
大人でも実は、自分の好きなことがよくわからないという人も多いのではないでしょうか。私もその一人かもしれません。好きなことがあるとないとでは人生が変わってくると思います。北極星がいつも変わらず方向を示すように、大好きなことが見つかっていれば人生を見失うことはないのかもしれません。
テレビ局の人材やこれまで培ったネットワークを活用して、何かできできることはないかなと考えています。学校なのか、教育的なメソッドなのかわからないですけど、子供や大人が「好きなこと=自分の北極星」を見つけるお手伝いができるような仕事をしたいと思っています。」
①夫婦共有のGoogleアカウント
子供関連のアカウントとして学校などからの連絡メールの登録先として使っています。ママからパパにいちいち情報共有する手間が省けておすすめ。学校のお便りなども写真にしてそこに送ります。
②家族カレンダー
家族みんなの予定を書き込めるカレンダーをリビングに貼って活用しています。
足立区の舎人公園
夏には水遊びができたり、キャンプ場があったりと子供と遊ぶのにおすすめの場所。
シッター派遣サービス[love clover]
グローバル化もどんどんと進み価値観が多様化している現代、幸せのカタチや成功の基準はひとつではなくなっています。大澤さんのお話を伺って、そんな現代だからこそ、「北極星」を見つけた人のほうが毎日の満足度は高いのだと感じました。親である私たちはもちろん、子供たちには自分の心に素直に、好きなことを見つけてほしいですね。
これからの時代、人生100年とも言われています。親になった今からでも自分の北極星を探すのに遅くないかもしれません。大澤さんが先輩から言われた『自分が何をやりたかったのかもう1度思い出してみろ』という言葉が胸に沁みました。そして大澤さんご自身の「北極星」は、誰かの北極星探しのお手伝いなのかもしれません。今後の展開が楽しみです。
そんな大澤さんがご自身の体験を元に執筆する連載コラムがスタートしました!第1弾は気になる「お受験」について。ぜひご覧ください。