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【インタビュー】女性が自由に挑戦できる社会をつくるために…25歳で「Lean In Tokyo」を設立

働く環境に満足していますか? 多くの女性が妊娠や出産、育児といったライフステージのタイミングで、自身の働き方について悩みを持ちます。今回は、女性が野心を持って挑戦することを応援する男女平等推進団体「Lean In Tokyo」を設立した鈴木伶奈さん(25歳)にインタビュー。女性が自由に挑戦できる社会をつくるために、精力的に取り組んでいる現在の活動についてお話を伺いました。

25歳で「Lean In Tokyo」を立ち上げた経緯

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現在、ベンチャー企業でPRマネージャーとして活躍している鈴木伶奈 さん。
その傍らで活動家としての顔を持ち、2016年3月、女性が野心を持って挑戦することを応援する男女平等推進団体「Lean In Tokyo」を設立しました。

慶応大時代はいわゆる“バリキャリ”志向。新卒で外資系投資銀行のシンガポール支社に入社し、ファイナンス部門に配属。シンガポール、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、ベトナムと多国籍な人たちが集まる環境で活躍しました。シンガポールの職場は、「仕事が残っていても皆19時には帰宅する環境だった」のだそう。

1年後、ヘッドハンティングで東京の投資銀行に転職。「若いうちに結果を出したい」と思っていた野心を満たすような、思い描いていたポジションをつかんで仕事に勤しみました。一方、部署に占める女性は1割で、上に立つ女性リーダーには当然のように子供がいませんでした。同期に女性は1人いたものの、同期とはいえライバルでしかない。鈴木さんは誰にも心を開くことはなかったといいます。

思い描いていた“バリキャリ”の生活。どんな悩みがあったのですか?

「ショックだったのは、ママになったばかりの女性が転職してきて、数字が出せずに大変そうにして辞めていったこと。『ここでずっとやっていけるのかな』と感じてしまいました。大学時代は試験の点数を取っていれば男性に勝てたんですが、男性が多いこの環境で評価されるには、たとえば仕事後の飲み会など、男性と“同じこと”をしなければ認めてもらえない。忙しくて土日も休みはなく、友達と話す時間もない毎日でした」

2016年3月に男女平等推進団体「Lean In Tokyo」を立ち上げました。きっかけを教えてください。

「激務で擦り減っていた頃、24歳の時に大学時代から付き合っていた彼氏と婚約をしました。その頃、ふと“バリキャリ”志向から180度考え方が変わったんです。仕事から家庭の方にベクトルが向いて、『家庭を持ったら幸せなんじゃないか』と考えるようになっていました」

自分たちのお祝いで開催された婚約パーティー。そこで再会した大学時代の友人から「あんなにキャリア志向だったのに!」と変化を指摘され、鈴木さんははっとさせられます。

「働く環境って大きいなと感じました。誰にも相談できなかったことが大きかったのかもしれません。今思えば、『私の価値って何だろう』って殻にこもってしまっていたんですね」

そこで出会ったのが『Lean In』だった、と。

「『Lean In』は学生時代に留学先のアメリカで読んだことがあったのですが、2度目にシンガポールでもらった『Lean In』の雑誌を何気なく読んでいたら、ずっしりと言葉が響いて、『これだ』と思いました。たくさんの言葉が琴線に触れ、『Lean In』を広めようと心が動きました。以前はジェンダーなんて関係ない、男性と社会で対等に戦っていけると思っていたんですが、自分の中の感覚が変わっていたんです」

その後、サークルを立ち上げてメンバーを募り、6人で小さい団体を結成。隔週週末にレストランで食事をしながら自分の経験で感じたことを話しあう機会を持とうと企画し、広報活動をスタートさせます。

「『Lean In Tokyo』の最終目標は、政府に何かを言うんじゃなくて、個人レベルで変えていきたい。政府もビジネスも男女がフィフティーフィフティーになるような社会をつくっていきたいと考えています」

「Lean In Tokyo」とは? “11のメッセージ”と活動内容

「Lean In Tokyo」とは
(以下、公式HP「Lean In Tokyo」参照)
「Lean In」とは、「一歩踏み出すこと・挑戦すること」を意味します。
2013年にFacebook上でCOOであるシャリル・サンドバーグ氏が『Lean In』という本を出版。彼女はこの本の中で、女性がどのようにしたら野心を忘れずに、自分がやりたいことに挑戦できるのか、キャリアを積んでいけるのかについて綴っています。

この本で推奨している理念は「女性が野心を持って、挑戦することができる社会」を実現すること。
シェリル氏は次に、1人よりもコミュニティ・サークルを持つことで、支え合って社会を変えていけると考え、「Lean In.org」を立ち上げます。

「Lean In.org」はコミュニティ、サークル、教育という3つの方法で女性をサポートしています。この中の「サークル」は現在世界120か国に約24000個。それぞれが自主運営の形式をとり、女性が活躍できる社会をつくるために活動しています。小さなグループでの週次のミーティングや、経験談をシェアしてネットワーキングイベントを実施するなど、活動は多岐にわたっています。

「Lean In Tokyo」は、この「Lean In Chapter」のひとつとして、且つ、日本唯一の地域代表として活動。2016年10月に米国本部から承認されています。東京、日本、そしてアジアでより多くの女性・男性に「Lean In」に共感し、行動を起こしてもらうことを目標に掲げ、活動を強化しています。

15591249_1306875689384360_8405211895717652044_o▲12月17日に開催されたイベントの様子。アクセンチュア株式会社で活躍されるワーキンブマザー3名が登壇した。

【11のメッセージ】


以下、シェリル・サンドバーグの著書『Lean In 』で挙げられているいくつかの考え方を引用し、ご紹介します。(一部抜粋)

1. What Would You Do If You Are Not Afraid?
(怖がらなければ、あなたは何をする?)

リーダーになる意欲に男女で大きな差があることが多くの研究で明らかになっています。(中略)ステレオタイプが無意識に働いていることが原因の一つなのです。女性には「リーダーをめざす男女の意欲に差がある」ことを知った上で、怖がらず、いつまでも高みを目指して欲しいです。あなたは何も怖がらなければ、何をやりますか?

2. Sit At The Table
(同じテーブルに着く)

女性は日頃から無意識のうちに、自分を過小評価する癖がついていることが明らかになっています。(中略)女性は、大きなチャンスが与えられた時、「無理」と考えるのではなく、自分の可能性を広げていくためにもチャレンジしていくことが必要です。そして、自分の意見が無視されたり、相手にされなかったりする場合はあるものの、手を挙げ続け、同じテーブルに着いて話し続けなければなりません。

3. Success and Likability
(できる女は嫌われる)

女性のリーダーは世間一般的によく受け入れられておらず、女性は周囲から嫌われるのを防ぐために、自分自身の能力を疑問視し、自分の成果を過小評価してしまっているのです。

4. It’s a Jungly Gym, Not a Ladder
(ハシゴではなく、ジャングルジム)

世間では出世はハシゴにと例えられることが多いものの、実際はハシゴではなく、ジャングルジムのようなもので、様々なルートで高みを目指すことができます。(中略)女性は「自分はまだふさわしくない」と考えるのをやめ、「私はこれをやってみたい。きっと仕事をしながら能力はついてくる」と考えて挑戦した方がいいのです。

5. Are You My Mentor?
(メンターになってくれませんか?)

メンターの存在は非常に大切なものの、女性はメンターやスポンサーを見つけにくいだけに、見つけようと躍起になりがちです。(中略)男性のリーダーがこの供給不足に気づき、自分のメンティーの多様化を図るよう働きかけることが大切となるのです。そして、私たちも積極的に女性のメンターを探すだけでなく、男性のメンターを受け入れ、アドバイスをもらうと良いのです。

6. Seek and Speak Your Truth
(本音のコミュニケーション)

自分の見方(自分にとっての真実)があれば、相手の見方(相手にとっての真実)があることを理解しましょう。(中略)これからは、何を話すにしても本音で、でも相手の見方を気遣いながらコミュニケーションを取りましょう。そうすると、私たちは男性も女性もよりよい上司、パートナー、同僚になれるのです。

7. Don’t Leave Before You Leave
(辞めなければいけない時まで辞めないで)

「子育てのために仕事をやめるのは、その必要が出来たとき、つまり子供が生まれた時だ」ということです。もちろん、出産後に仕事をやめて、子育てに専念することは、とても素敵な選択ですが、それを選択しなければならなくなる時まで、つまり、何も実際に起きていない段階で、頭の中で将来を考えて、チャンスを逃すのはもったいないということです。
「選択の余地がある幸運な立場にいるなら、最後までその余地を残しておいて欲しい。仕事を始めるときから、出口を探さないで欲しい」ということなのです。

8. Make Your Partner Real Partner
(パートナーを本当のパートナーに)

女性が職場でもっと力を持つ必要があるのに対し、男性はもっと家庭で力を発揮する必要があるのです。もちろん、男性が家庭に自らLean Inすることが最も大切ですが、女性がサポートできる方法としては、「彼を対等に、つまり対等の能力を持つ人として扱うこと」が大切になってきます。一度、彼に何かを任せたら、失敗しても、任せ続けることが大切です。(中略)
また、女性リーダーは独身が多いと考えられているようですが、実は、Fortune 500社の女性がCEOを務める会社のうち26人が既婚者なのです。これは、彼女たちは、本当の意味でのパートナーと出会い、お互いを支えあっているという良い証拠ではないでしょうか。

9. Myth Of Doing It All
(スーパーママ神話)

「全てを手に入れる」そんな望みを抱くのは、女性にとっては危険な罠です。なぜなら、女性は、仕事場では、家庭や育児の負担の少ない男性の同僚と自分を比べ、家庭では専業主婦と自分を比べ、終始不安を抱えて、自信をなくしてしまうからです。だからこそ、女性は「自分の仕事をもっと上手にコントロールすること」が大切であり、自分で、ここまではできるが、これ以上はできないと線引きをすることが必要です。自分に出された要求を全てこなさないことが、長く仕事で成功を収める秘訣です。

10. Let’s Start Talking About It
(声をあげよう)

私たちは声をあげて、ジェンダーについて適切に発信いていく必要があります。声をあげ続け、他の人にもそうするよう励ましていくことが大切なのです。例えば、たいていの人が、ジェンダー・バイアスの存在を認めているが、自分は違うと言い張ります。これをバイアスの死角と呼ばれており、実際の調査でも、男女に対する先入観が無意識のうちに働いていることが明らかになっています。

11. Working Together Towards Equality
(ともに力を)

今日なお女性も男性も真の意味での選択肢はもっていません。だからこそ、男と女が共に目指さなければ、真の平等は実現できません。そして、何よりも、女性同士が助け合うことが重要です。とりわけジェンダー問題に絡む女性の言動は、女性同士から批判されることが多く、まずは、女性同士が助け合うことが大切なのです。
女性が大志を抱き、キャリアでの高みを目指す。そして、同性に手を差し伸べる。これが、女性がまず出来る一歩踏み出すことなのではないでしょうか。

他国の働く女性は日本人女性よりも「好きなことを選択してる」

他国の働く女性と比べ、日本の働く女性にはどんな特徴があるのでしょうか。これについて、鈴木さんは「海外の女性はもっと好きなことを選択している」と分析します。

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現在は、3社目のベンチャー企業でPRマネージャーをしているんですね。

「スタートアップで社会貢献に携わりたいなという気持ちがありました。もう少し自分の意見が出せて、自分の価値が目に見える仕事がしたくて。弊社は海外国籍の社員が多い、ダイバーシティーな環境なのも居心地がいいです。女性をもっとインクルージョンしていきたいというのが、今私が戦っているポイント。女性の割合を30%以上にしたい。女性が30%以いないと、女性個人の意見が女性全体の意見になってしまうんです。小さい会社だからこそやるべきことだと思っています」

1社目はシンガポール支社でしたが、現地の働く女性について、どんなことを感じましたか?

「シンガポールは大半の女性が働いてます。ベビーシッターを雇うことに対して全く罪悪感がない。それが普通なんですよ。雇うのも安い。女性が強くて、男性も育児に参加してくれます。
面白いのは、自由なんですね。専業主婦でも家事をしないで、家政婦を雇っている女性もいました。自分主体で好きな生き方を選択しているので、主婦にも働くママにも不満がない。周りの目とかお金がないといった理由ではなく、あくまで自分主体なんです」

シンガポール以外の国の女性はどんな印象ですか?

「エリアは関係なく、海外の女性は日本人よりも好きなことをやってる女性が多いということと、意見を強く主張するというのが大きな違い。特に欧米の女性は強く、権利を主張します。そもそも働くことに関して日本は従順で、海外の女性は日本人よりもベネフィットを主張しますよね」

シンガポールで働いていた頃、鈴木さんは既成概念に縛られない「自由」を肌で感じとりました。働きたいのか、家事をしたいのか、女性はもっと好きな生き方を選択していい。鈴木さんは「もう少し日本の女性が真似してもいい部分」と提言します。

現在の野心は「自分を強く持つ」「個人個人が好きなことを選択できる社会に」

最後に、鈴木さんが抱いている現在の野心を教えてください。

「ひとつ目は個人的なことになります。いろんな場で話をする側になって、『私はフェミニストです』と毎回言ってるんですが、自分を強く持ちたいですね。フェミニストという言葉にはネガティブなイメージがあって、レッテルを貼られることも多いです。 『子供ができたら家庭に入るべき』という考え方を持つ人が周りに多くいることも事実。私のインタビューを見て周りから意見を言われることもありますが、折れずに主張をしています。自分の意見が変わってしまうと、動いてたものが止まってしまう。恐れず、ブレずに頑張れる人になりたい

もうひとつは社会のこと。個人個人が、自分が好きなことを選択できる社会にしたい。男女平等っていうと女性ばかりが取り沙汰されるけど、男女の社会的通念をなるべく取り外した社会にするのが野心ですね。そのために『Lean In Tokyo』の活動にさらに打ち込んでいきます」

まとめ

25歳にして「Lean In Tokyo」を設立した鈴木さん。「Lean In」と記されたTシャツを着て登場し、インタビューの中では「私はフェミニストです」ときっぱり。ひとつひとつの質問にハキハキと答えてくれました。その華奢な身体から湧き出るエネルギーは圧巻。問題意識を持って活動に取り組み、野心の炎を燃やしている姿が見えてきました。
彼女が感銘を受けたという「Lean In」“11のメッセージ”のひとつが「7. Don’t Leave Before You Leave
(辞めなければいけない時まで辞めないで)」。ブレーキは踏まなくていい。ゴールを達成するまで、今後もアクセルを踏み続けることでしょう。

ママプラ編集部

ママプラ編集部は全員ママとパパ。子供たちと過ごす日常をより面白くしたいと日々考えています。

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