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【インタビュー】つまみ細工を世界へ!副業を容認する企業で働くママ
在宅ワークやパラレルキャリアなど働き方は多様化していますが、副業を禁止している企業は依然として多いようです。そんな中、株式会社ウィルゲートでは2016年4月から副業が容認され、注目が集まっています。ウィルゲートで働きながら、副業としてつまみ細工のビジネスをされている2児の母、南保実有己さんにお話を伺いました。
職を失った喪失感。その時に出会ったつまみ細工がライフワークに。
大阪出身で結婚を機に仙台に移住した南保さん。仙台ではCADメーカーに勤務され、子連れ出張もこなすなど産後もバリバリと働かれていました。当時はベビーシッターなど保育サービスが今以上に少なかったため、仕事と子育ての両立はかなり大変だったと言います。
その後はパソコンの講師など時間の融通が利く派遣の仕事をするようになります。しかし、ようやく子育てと仕事のバランスが保てたと感じた頃に東日本大震災が発生。その影響で仕事を失うことになります。
その後も趣味としてつまみ細工を作り続けていた南保さん。ご主人の転勤に伴って横浜に居を移し、2014年からウィルゲートに勤務されるようになります。
当時は「つまみ細工を商売にするつもりはなく、単なる趣味として続けていた」という南保さんですが、現在は【伊達一輪 IKEDA-YA(だていちりん いけだや)】というブランドを立ち上げ、デパートでの催事出展や定期的に教室を開催するなど精力的に活動されています。
▲南保さんが制作されたつまみ細工アクセサリー
つまみ細工に本腰を入れるようになったのはなぜですか?
さらに横浜市主催の女性向け企業支援セミナーを受講されるなど、つまみ細工の“事業化”にも積極的です。
副業を容認し、個人の成長を最大限支援。個人の成長は企業の成長にもプラスに
一人ひとりが自身の『will(意志、想い、やりたいこと)』を実現できる社会の実現、を経営理念としているウィルゲートでは社員が自身のwillを実現するために、自己成長の機会をできるだけ増やしてほしいという思いから副業の容認が実現したそうです。副業をすることで個人のスキルアップにつながり、本業へのフィードバックも期待できるということもあり副業を容認されているようです。
現在、基本的に週5日、10時から17時までウィルゲートで勤務をされている南保さん。月に2回つまみ細工の教室があるときやつまみ細工の催事があるときは1週間近く仕事をお休みになることもあるそうです。
副業で休みを取るときなど周りの方の反応はどうですか?
▲催事出展の様子
副業をしていてプラスになっていると感じることはありますか?
「つまみ細工では今までは目標金額など立てていなかったのですが、ウィルゲートでのビジネスを見ていて目標を立てて戦略的にやっていくことの大切さを学びました。逆に自分でビジネスを始めたことで、経営視点で仕事を俯瞰して見ることができるようになって、担当する仕事の取り組み方や職場の方たちとの接し方も変わりました。」
子育て、本業、副業と何役もこなさなければならない状況ですが、時間に制約がある中で成果を生むヒケツはありますか?
若い頃は仕事で結果を出したいという気持ちが強かったんですが、経験を重ねて周りのことにも目を向けられるようになってきました。」
他の人がなかなか気づけないようなことに気を回してくれる人がいることで、社内の人間関係が円滑に進むようになり会社でも重宝される存在となっている南保さん。取材後に南保さんが社内の人と話している様子を見ていると、皆さんに慕われている存在だということが伝わってきました。
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5:00
起床。お弁当、朝食準備、夕食の下ごしらえ、洗濯、つまみ細工
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7:00
子供たち起床。朝食、身支度、掃除、お風呂掃除
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8:50
移動
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10:00
出勤
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17:00
退社
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18:00
帰宅。夕飯支度、子供を塾に送る
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19:30
夕食、お風呂、メールなどパソコンで作業、学校などの雑事処理
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22:00
塾への迎え、家族の食事、後片付け
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23:00
つまみ細工製作
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24:00
就寝
食事は1週間分の献立を決めておき、まとめて買い出しを済ませます。さらに朝の時間に家事を出来るだけ済ましてしまい、つまみ細工の作業時間を確保されているそうです。素晴らしい段取り力ですね。
休日はご主人が食事を作ってくれるので、その間はネイルサロンに行ったり、つまみ細工の制作時間に当てたりできるそうです。
お掃除ロボット、食洗機。忙しいママの味方です。
近所の公園。子供が遊ぶ遊具があったり、散歩コースがあって。お弁当を持って気軽に行ける近所の公園が一番便利でした。
生協の食材配達サービス。野菜などをオーダーしています。
お掃除代行サービス。
まとめ
出産・育児やパートナーの転勤など、女性のキャリア形成はライフイベントに影響を受けがちです。南保さんはライフステージに合わせて柔軟に対応されてきましたが、それでも震災によって職を失うことになりました。このような不可抗力は、私たちに訪れないとは言い切れません。南保さんのつまみ細工のように、本業とは別に“ライフワーク”を持っておくことは、人生を充実させるうえで大切なことなのではないでしょうか。
また南保さんがそうであるように、副業をもっておくことは精神的安定に繋がるだけではなくキャリアを形成する上でもプラスに働き、本業に好影響を与えることも。雇用主にとっても、働く者にとっても相乗効果が得られる体制と言えます。ウイルゲート社のように、今後は副業を容認する企業が増えていくかもしれませんね。