
【インタビュー】自らの呪縛を解いた“ウルトラ”な母
産後、職場復帰する女性が増えています。育児と仕事の両立には悩みが尽きませんが、バランス良く両立している働くママがいるのも事実。今回はサイボウズ株式会社で働く 河合 真知子さんにお話を伺いました。大学卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。入社3年目に妊娠し、4年目に出産。現在はマネージャーとしてフルタイム勤務する活躍ぶりに迫ります。
サイボウズ株式会社に新卒入社。決めては“ボウズマン”!?
早稲田大を卒業後、新卒でサイボウズ株式会社に入社した河合さん。当時、同社への新卒入社はレアケース。サイボウズ株式会社への入社の決め手は何だったのでしょうか。
▲地球上のビジネスパーソンの危機を救うため日夜奔走するイントラの星からの使者、ボウズマン
定年まで勤めあげるといった考えはなく、好奇心に突き動かされて入社を決断。抱いていたイメージと、入社後にギャップはなかったのだそう。
入社4年目に育児休暇を取得。復帰後すぐは既存ユーザー向けのマーケティングを担当し、2009年から現在まで8年間、複数のプロダクトのマネジメント業務で経験を積んでいます。
学童保育に通いたがらない…働きながらどうやって「小1の壁」を乗り越えたのか?
働きながらの子育て。「小1の壁」も経験されたのだとか
その壁をどうやって乗り越えたのですか?
サイボウズ社では選択した働き方から異なる働き方を、イレギュラーに実施するウルトラワークが認められています。「台風」「通勤時間節約」「個人作業に集中したいから」。スケジュールに理由を入れ、会社に行かないことがメンバーに伝われば在宅勤務もOKです。社外でも仕事ができるように環境が整っているので、ネットと電話がつながれば家でも遜色なく仕事ができます。
▼ウルトラワークの申請の様子。この日は授業参観のため午前中は在宅勤務の後、息子さんの授業を見てから出勤。
いつでも、どこでも仕事ができる環境と制度。ありがたいですね。でもその分オンオフの切り替えが難しくなりませんか?
「子連れ出勤」を提案し話題に。社として追求する多様なライフスタイル
さらに「子連れ出勤」を提案して仮運用してみたことが、ネット上でとても話題になりましたよね
▼子連れ出勤後の社内チャットの様子
声を出したことで制度が生まれた感想は?
働きやすい環境を整えるために心がけていることは?
「育児、介護。ほかにも留学したい、大学院で勉強したいから仕事を減らしたいという人もいます。人によってステージが違う。どんなカードを持っていても働けるといいなと思います」
働くママの状況を理解してもらい、メンバーにも話してもらう
プロダクトマネージャーという立場上、チームビルディングが重要ですよね
▲松山の遠隔メンバーとのオンラインミーティングの様子
製品を滞りなくリリースするために大切なことは?
遠隔メンバーとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?
今後、挑戦してみたいことを教えてください。
お茶を煮出すことを辞めました!小さな“呪縛”からの解放
最後に働くママとしておすすめのアイテムやサービス、毎日のスケジュールを教えてください。
ルンバ様。
最近はダイソンの布団クリーナーを買って、子供とふたりで楽しく使っています。最近買ったもので一番いいかもしれません。子供が掃除が楽しくなったみたいで嬉しいです
うちの子供は電車が好きなので、モノレールに乗って羽田空港に行っていました。乗り鉄なんです(笑)一番前に乗るのが好きみたいです。子供のお気に入りはモノレールとゆりかもめ。羽田空港や豊洲に行けるので、子連れでご飯を食べて帰ってきます。一時期は毎週のように通っていましたね
アマゾンとネットスーパー
米や飲料系、日用品、運ぶのに重いものはネットスーパーで購入します。ちょっとしたことなんですけど、買い物に行く時間を減らしたくて。
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7:00
起床
自分の準備しながら子供の準備
子供を起こす
朝食 -
7:50
登校
「小3に子供と一緒に出ます。集団登校はなくて、子供は一人で行けるんですが、小学校まで一緒に行きます」 -
9:00
出社
「昼食も自由に時間を決めていいので、だいたい外にランチに出ます。最近は仕事で外に出る機会が少ないので」 -
18:30
退社
「18時が終業で、18時半〜19時に会社を出ます。会議が平均1〜2個。テレビ会議がほとんどですね。UIの細かい仕様についてみんなで議論して決めます。決めたら仕様書を書いて読み合せをしてチェック。議題がなければスキップするので無駄な会議や定例はしないようにしています。無駄な時間を減らして作業時間を増やして、突発的な仕事に時間を回せるようにしています」 -
19:30
帰宅、夕飯
「帰りに夕飯の買い物をして、実家に子供を迎えに行くか、親が子供を連れてきてくれます」 -
21:00
入浴、音読
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22:00
翌日の準備、子供の寝かしつけ
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23:00
家事、仕事
「子供が短い時間で寝ついてくれるようになったので、寝かしつけた後に起きて家事をします。仕事を再開するのは23時以降ですが、電話がきたら子供が起きている時間でも対応します」 -
25:00
就寝
まとめ
サイボウズ社の“ウルトラワーク”制度を上手に活用した、まさにウルトラな母の河合さん。
制度のすばらしさはもちろんですが、河合さんの柔軟な考え方と行動力があったからこそ“小1の壁”を超えられたのではないでしょうか。
「こうでなくてはならない」という固定概念に捕らわれたり、周囲の反応に怯えて行動を起こせずにいるママも多いはず。
河合さんが子連れ出勤を仮運用して社内だけではなく社会的な議論を産んだように、何か障壁が訪れた際に思考停止するのではなく、また一人で解決しようとするのではなく、今まで自分が抱えていた“べき”=呪縛を解いて新たな提案を声にしてみることが大切なようです。