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厚生労働省の資料を読み解く(その6)~ひとり親家庭への支援ってどうなってるの?Vol.3~


読んだ資料

Vol.1Vol.2に引き続き、下記の資料を読み解いていきましょう。

「平成28年度 母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況」
平成29年12月28日 厚生労働省子ども家庭局 家庭福祉課母子家庭等自立支援室

6.生活支援に関する施策

この章では生活全般の支援についての施策とその実施状況について書かれています。
就業支援については3章にわたって記述してありましたが、生活支援についてはこの章だけ。自立するにはまず仕事(収入)の確保が先という考え方なのでしょう。

ひとり親家庭等日常生活支援事業は、急に病気になったときや、就職活動のときなどに家庭生活支援員が、子どもの世話や食事の支度、掃除など日常生活の支援を行う制度です。

支援してくれる家庭生活支援員は有償ボランティアで、市町村によって違いはあるようですが、ホームヘルパーや保育士・幼稚園教諭・小学校教諭などの有資格者としているところが多いようです。平成28年度はのべ件数で36,841件の実績がありました。

さらに病気などで子どもの面倒が見られないときには、児童養護施設、母子生活支援施設、乳児院、保育所、ファミリーホーム等で子どもを預かる短期入所生活援助(ショートステイ)事業、夜間養護等(トワイライトステイ)も実施しています。
資料によると、短期入所生活援助(ショートステイ)の実施施設は764か所、夜間養護等(トワイライトステイ)の実施施設は386か所で、いずれも少しずつ増えています。
必然的にワンオペ育児にならざるを得ないひとり親家庭にとって、日常生活支援、短期入所生活援助などの制度は心強いですね。

ひとり親家庭等生活向上事業」として、相談や講習会、学習支援、情報交換事業などさまざまな支援が行われています。

(1)相談支援事業
育児や家事、健康管理等の生活一般に係る相談に応じ、必要な助言・指導や各種支援施策の情報提供等を実施する。
(2)家計管理・生活支援講習会等事業
家計管理、子どものしつけ・育児や養育費の取得手続き等に関する講習会の開催等を実施する。
(3) 学習支援事業
高等学校卒業程度認定試験の合格等のためにひとり親家庭の親に対して学習支援を実施する。
(4) 情報交換事業
ひとり親家庭が互いの悩みを打ち明けたり相談しあう場を設け、ひとり親家庭の交流や情報交換を実施する。

この事業の利用延べ件数は、家計管理・生活支援講習会等事業が11,956件、学習支援事業が11,963件となっています。

学力の有無が将来の収入に影響するという結果を受けて貧困の連鎖を断ち切るためにも「子どもの生活・学習支援事業」も実施されています。

貧困の連鎖を防止する観点から、放課後児童クラブ等の終了後に、ひとり親家庭の子どもに対し、児童館・公民館や民家等において、悩み相談を行いつつ、基本的な生活習慣の習得支援・学習支援、食事の提供等を行う子どもの生活・学習支援事業を実施する。

この子どもの生活・学習支援事業の延べ利用者数は69,753人です。

住居の安定確保

資料では「住宅は生活の重要な基盤であり、母子家庭等が、安心して子育てと就業又は就業のための訓練との両立が可能となるよう、居住の安定確保を図り、生活面での支援体制を整備することが重要である」として、ひとり親家庭が部屋を借りるときにも支援していることを伝えています。

公営住宅や都市機構賃貸住宅に申し込んだときは、当選率を一般の希望者より有利にしたり、家賃を減額したりといった制度があるほか、民間の賃貸住宅を借りる場合も連帯保証人が立てられないため入居を断られたりしないように、家賃債務保証サービスもあります。

子生活支援施設

母子生活支援施設は、生活上の問題を抱えた、18歳未満の子どものいる母子家庭(離婚できない人も含まれる)が入所できる施設。母親と子どもが一緒に生活しながら、自立支援として、就労・家庭生活・子どもの教育などに関する相談や助言がうけられます(退所者も対象)。利用を希望する場合は、地域の福祉事務所(都道府県、市区町村)へ、利用の可否については、福祉事務所が調査して判断します。

母子生活支援施設では、DV(ドメスティック・バイオレンス)被害者の一時保護や相談も行っています。入居者の入居理由の半数以上(56.6%)が「夫等の暴力」となっています。

この章を通して、母子・父子家庭に対してさまざまな生活支援があることがわかりました。 印象としては母子家庭に偏っているのではないかという気もしましたが、母子生活支援施設の入居者の半数以上がDVによるものであるという事実は衝撃でした。

7.養育費の確保策

養育費相談支援センター事業では、養育費の取り決めや確保のサポートや母子・父子自立支援員による相談などを実施しています。
相談内容の傾向は以下の通りです。

○請求手続が25.3%と最も多く、養育費の算定が22.3%、養育費の不履行が12.8%と続いている。
○女性が69.3%、男性が26.4%と女性からの相談が多くを占める。
○離婚後が59.6%、離婚前が31.8%と離婚後の段階での相談が多くを占める。

またセンターでは、「母子家庭等就業・自立支援事業」のメニュー事業のひとつとして、面会交流支援事業も行っています。

個人的に(この資料ではありませんが)養育費相談支援センターのHPが興味深いと感じました。 離婚を決めたときや、離婚を考えたとき、事前に離婚や養育費に対しての正しい知識が得られます。離婚を考えていない段階でも、一般常識として知っておいてもいいかもしれません。

8.自立を促進するための経済的支援

児童扶養手当、母子父子寡婦福祉資金貸付金の説明と利用状況について解説しています。

児童扶養手当は離婚によるひとり親世帯等、父又は母と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について手当を支給し、児童の福祉の増進を図る。(平成22年8月より父子家庭も対象)

児童扶養手当は児童1人の場合42,290~9,980円、第2子については9,990~5,000円、第3子以降1人増すごとに5,990~3,000円を加算(すべて月額・平成29年4月分から)。所得制限があります。

母子父子寡婦福祉資金貸付金は、母子家庭の母、父子家庭の父などが、各種資金を無利子又は低利(年1.0%)で借りられるというものです。

平成28年度の貸付実績は
(1)母子福祉資金:172億578万円(33,133件)
(2)父子福祉資金:4億8,617万円(1,086件)
(3)寡婦福祉資金:3億7,950万円(570件)
となっています。
貸付金の件数・金額とも約9割が、児童の修学資金関係だそうです。

また、この資料の末尾には「各自治体における取組状況」として、各市町村の取り組みを一覧表にして掲載していました。

まとめ

施策のひとつひとつを確認しながら読み解いていくと、ひとり親家庭に対して、どこがどのように支援をしているのかが見えてきたような気がします。長年子育てライターをしてきた私でも知らないことが多くありました。
誰だってひとり親になってしまう可能性はゼロではありません。

(文・曽田 照子)

提供元:camily(キャミリー)

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