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結婚の4分の1が「再婚」の時代…離婚歴を隠したらどうなる? 前妻への連絡義務は?

結婚全体に占める再婚の割合は「4分の1」。厚生労働省が1月18日、2015年の人口動態統計をもとにした分析結果を公表したところ、その割合の高さにネット上では驚く声が相次ぎました。厚労省の発表によれば、夫婦の双方、あるいは一方が再婚だった割合は26.8%。分析対象となった1975年以降では最高の割合となります。

4人に1人が再婚している今。再婚を決める際に気をつけたいポイントはあるのでしょうか。再婚者たちに聞いてみると、様々な悩みが浮かび上がりました。それぞれの質問について、中西祐一弁護士は以下のように答えています。

質問①再婚の報告を「別れた相手」にしないとダメ?

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昨年、再婚したばかりのカズ男さん(37)は、価値観の相違から3年前に離婚。子供はいなかった。最近、離婚後に知り合った女性との再婚したが「前妻にはどう報告すればいいのか」と悩んでいるという。「子供がいないので、連絡する用事もないのですが、黙っておくリスクもあるのではないか」と考えているからだ。

回答「再婚を伝える義務はなし」

婚姻関係は離婚によって終了し、離婚後の夫婦は、基本的には完全な「他人」となります。したがって、離婚後に誰と交際しようが、結婚しようが、自由ということになります。従いまして、カズ男さんには、前妻に再婚を伝える義務はありません。

質問②戸籍には「前妻」と「現在の妻」の名が並ぶ?

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バツイチの男性との結婚を予定するアユミさん(35)は、戸籍のことが気になっている。「実は、カレが住む家には以前、前妻も住んでいたんです。彼は離婚後も本籍をこの住所から移していないので、私と再婚すると彼の戸籍には、前妻との結婚・離婚歴や、私と再婚したことも載ってしまうのでしょうか」。仮に、同じ戸籍に離婚歴が記されたところで、アユミさんに実害があるわけではないが、「気分的にイヤですし、これから生まれてくる子供にも、彼の離婚歴のことは知って欲しくないです」という。

回答「本籍地を移動させれば、離婚の事実は戸籍に記載されません」

通常、離婚した場合、戸籍には、離婚した事実が記載されますし、その後に再婚した場合は再婚した事実も記載されます。しかし離婚後、本籍地を他の市町村に移動させた場合(「転籍」といいます)は、離婚した事実は転籍後の戸籍には記載されません。もっとも、離婚した時点での戸籍は、「除籍」として、離婚の際の本籍地に保存されていますので、「除籍」を調査すれば、離婚した事実はすぐに分かってしまいます。少なくとも、彼が亡くなった後の相続手続の際には、除籍謄本まで取り寄せる必要がありますので、お子さんに彼の離婚歴を完全に隠すことはできないと思われます。

質問③前妻の荷物は勝手に処分してもいい?

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後妻の立場で結婚したのが、アヤコさん(41)だ。夫は離婚から4年後にアヤコさんと出会い、再婚した。子供は2人。再婚して3年となる。前妻との間に子供はいなかった。

「前妻さんとは会ったこともなく、不倫でもないので、特別な思い入れはありません。でも、結婚当初に住んだ家は、前妻も離婚直前まで住んでいたんですよね」と話す。そこで、「前妻が忘れていったらしい洋服やアクセサリー、女性が好みそうな食器などは全て、こっそり処分しました」という。

回答「勝手に処分するのは、法的には大いに問題です」

「物」は、その所有者でなければ処分することはできません。前妻の荷物を勝手に処分した場合、民事上は「不法行為」になってしまいます。また、刑事の面では、他人の物を勝手に捨ててしまった場合は「器物損壊罪」、勝手に売却してしまった場合は「占有離脱物横領罪」などに問われる可能性があります。

従いまして、前妻の荷物を勝手に処分することは、法的には、大いに問題があります。

質問④「離婚歴」を隠して「婚活」してもいい?

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5年前に離婚し、現在婚活中というナオトさんは「離婚歴があることは最初に知り合ったタイミングでは、秘密にしておこうと話しています。別れた妻との間には子供がいなかったので、縁も切れているので。関係が深まってから、離婚については話すつもりです」と話す。しかし、相手によっては「離婚歴があると知っていたら、関係を深めなかった」と思うこともあるかもしれない。自分自身の離婚歴を隠して結婚したら法的に問題になるのだろうか?

回答「義務ではないが、法的に問題となるケースも」

一般論としては、再婚に際して離婚歴を明らかにしなければならない義務はありません。

ただし、再婚相手が「初婚であること」を結婚の重要な条件としていたにもかかわらず、再婚であることを隠していたような場合には、再婚相手から、「詐欺」を理由に婚姻の取消を求められたり、慰謝料を請求される可能性があります。したがって、再婚相手が「初婚であること」を非常に重要視しているような場合には、離婚歴を秘密にすることは法的に許されないと考えられます。

なお、前の結婚の際に子供がいる場合も、基本的には同じ考え方をすることになります。ただ、子供がいると、再婚後に、前妻から養育費を請求される可能性があります。その場合、再婚相手が想定していなかった経済的負担が生じることとなり、より「詐欺による婚姻の取消し」が認められやすくなると考えられます。

仮に結婚が取り消されなかったとしても、再婚相手との夫婦関係に重大な影響を及ぼすおそれがありますので、ちゃんと離婚歴を説明して再婚相手の理解を得た方がよいでしょう。

注意が必要なのは「相続」と「再婚できる時期」

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ここまでは、具体的な相談に基づき、お答えしました。ただ、弁護士として、他にもいくつかお伝えしたいことがあります。

1つ目が、相続についてです。 仮に、配偶者に離婚歴と子供がいた場合、その配偶者が亡くなった際には、その子供も相続権を有しています。通常、亡くなった方の預金を解約したり、亡くなった方の名義の土地について相続登記をしたりする際は、相続人全員が署名押印した書類が必要となります。配偶者が亡くなった際には、前妻との間の子供にも連絡をする必要があります。

2つ目が、女性の再婚できる時期についてです。男性は離婚してすぐからの再婚ができますが、女性は少し時間がかかります。離婚後すぐに再婚すると、再婚後に生まれた子供の父親が前夫なのか現在の夫なのか分からないという事態が起こりうるので、そのような事態が生じるのを避けるためです。

最近まで、女性の再婚は次のいずれかの条件を満たす必要がありました。

(1)離婚後6か月を経過した後

(2)離婚の時点で妊娠していた子供を離婚後6か月以内に出産した場合

このいずれかの条件を満たさない場合、再婚することはできないとされていました(民法旧733条1項)。しかし、この規定については、女性だけが再婚を禁止される期間があるのは男女差別であるという強い批判がありました。

そこで最高裁判所は、平成27年12月16日、従来の判例を変更して、離婚後100日間は子供の父親が誰かを決める上で必要な期間であるとする一方、100日を超えて女性の再婚を禁止する部分については合理的な理由のない男女差別にあたり、違憲であるとの判決をしました。

これを受けて、平成28年6月7日、民法733条が改正され、女性の再婚禁止期間が100日に短縮されました。また、これに加え、離婚した女性が、離婚した時点で妊娠していなかったことの証明書を提出した場合には、離婚から100日以内でも再婚することが可能となりました(改正後の民法733条2項1号)。

従いまして、現在、女性は、次のいずれかの場合に再婚できることになります。

(1)離婚後100日が経過した後

(2)離婚後100日以内でも、離婚した時点で妊娠していない証明書を提出した時点 

(3)離婚後100日以内であっても、離婚後に出産をした場合

提供元:弁護士ドットコムニュース

中西 祐一(なかにし・ゆういち)弁護士
金沢弁護士会所属。地元の方々の身近なトラブルの解決を目指し、民事・刑事を問わず幅広い分野の案件を取り扱っているが、その中でも、刑事事件には特に力を入れており、裁判員裁判や冤罪事件の国家賠償請求事件などにも積極的に関わっている。
所在エリア:石川金沢
事務所名:中西祐一法律事務所
事務所URL:http://www.nakanishi-law.net

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