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【働くママ・国際協力NGOジョイセフ】女性の生き方を問い続ける小野美智代さん

政府の女性活躍推進に対する動きもあり、女性の生き方は多様化しつつあり、これまでの既成概念に捕らわれず、自分らしい生き方を模索する女性が増えています。
そんな中、女性が自分らしくあるために女性自身が自分の健康について向き合うことの大切だと謳う【I LADY.】という取り組みに注目が集まっており、5児の母であり人気モデルの堂珍敦子さん、シンガーソングライターMINMIさんなど多くの著名人が参加しています。【I LADY.】を主催する国際協力NGO【ジョイセフ】の市民社会連携グループ長で、ご自身も2人の女の子の母である小野美智代さんにお話を伺いました。

自分自身で選択した人生を生きるために。【I LADY.】キャンペーンをスタート

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―――まずはジョイセフの活動について教えてください。

ジョイセフは、女性のいのちと健康を守るために活動している日本生まれの国際協力NGOです。
主にアジアやアフリカの途上国で、妊娠・出産・家族計画にかかわるリプロダクティブ・ヘルスの分野での支援をしているのですが、女性をとりまく環境支援や教育支援、それには欠かせない男性に向けた啓発・教育活動も行っています。
日本では東北や熊本の被災地で支援を行ってきました。途上国であろうが日本であろうが、女性の抱えている課題は根底で共通しています。
インフラも整っていない貧しい地域や、災害や紛争などの非常事態が起こっている地域では問題が顕著となり、女性の命と健康のリスクは一気に高まります。そういった場合、望まない妊娠、若年出産、性暴力、中絶、こうした『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』に関することが原因で女性の尊い命が奪われています。そのために日本からできる支援をしているのがジョイセフです。」

―――【I LADY.】はどのような背景でスタートしたのでしょうか。

「50年近く、日本の戦後の経験を活かして途上国支援をしてきたジョイセフですが、ここへきて、日本の実態を表す数字に衝撃を受ける機会が増えました。
毎年発表される男女格差の世界ランキングでは、日本はジョイセフの支援先のアフリカの国々よりも低く5年連続100位以下。また、先進国の中で日本は、もっとも自殺率やHIV感染率、性病感染率が高い国であり、子宮頸がんや乳がんの検診受診率は先進国最下位という実態です。
こうしたとても先進国とは言えない衝撃的な「後進」の実態にメスを入れようと、立ち上がったのが【I LADY.】の取り組みです。
ここ日本でも『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』の認知普及をはかっていこうと、日本のレベルが上がれば必然的に世界はよくなるという期待も込めています。」

―――『リプロダクティプ・ヘルス/ライツ』とはどういう権利でしょうか?

「女性が身体的・精神的・社会的な健康を維持し、子どもを産むか産まないか、いつ産むか、どれくらいの間隔で産むかなどについて選択し、自ら決定する権利のことを言います。」

―――当たり前のことのようにも思いますが、日本では聞きなれない言葉のようにも感じます。

「自分のライフプランの中に”出産”についてきちんとイメージしている女性が少ないのではないかと思います。また日本では保健医療が充実している分、自分の体に向き合う意識が低いとも感じます。
これまでジョイセフの広報として、ジョイセフの活動を広く認知してもらうことに注力していましたが、日本の女性たちの意識を変えて行きたいと思いキャンペーンを企画しました。
まずは日本の女性1人1人のアクションを起こすことが『世界中のすべての女性が内面から健康的に輝ける社会の実現』に繋がると考えています。」

―――なるほど「働く女性が”2人目を躊躇する”という声もよく耳にしますし、女性がもっと自らの意思で行動できるといいですね。【I LADY.】に込められた思いとはどのようなものでしょうか?

「キャンペーンの根底は”女性の自己肯定感”です。LADYはLove, Act, Decide Yourselfの略で
自分を大切にすること。(=Love Yourself)
自分から行動できること。(=Act Yourself)
自分らしい人生を、自分で決められること。(=Decide Yourself)

を意味しています。」

女性は不浄!?「性」について考え始めたきっかけとは

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―――そもそも小野さんが『女性』について深く考え始めたきっかけは?

「私の実家の家風が大きく影響していると思います。
静岡県の江戸時代から続く本家の長女で、何げなく祖父から「婿を取るんだよ」と声をかけられることもありました。一方、母は「跡継ぎの男を産んで」というプレッシャーであったようで肩身が狭い思いをしていたようでした。その家風に小さな頃から何となく違和感を感じていました。」

―――女性軽視とまで言わないまでも、今でも少なからずそういった社会学的な性差はありますよね。

「そうですね、あまり疑問を感じない方も多いかもしれませんが、私は疑問を抱えつつ育ちました。
そして、私がジェンダーについて深く考えるようになった決定的な出来事は、中学生の時に実家の建て替えでの一件でした。
実家の地域では、棟上げ式でその家の者が建築中の家の上から餅をまくという風習があります。私が餅をまくために家に上がろうとすると『女は不浄の性だから建築中の家にあがってはいけない』と制されたのです。不浄!?人は皆、女性から生まれてくるのに!
生まれ持った性別によって扱いに差があることに理不尽に感じるようになり、大学・大学院とジェンダーを専攻して学びました」

1日に約830人もの女性が妊娠や出産が原因で命を落とす現実

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―――ジェンダーについて学ばれていた小野さんですが、途上国の女性に焦点を当て、国際協力NGOジョイセフで働くようになった理由は?

「学生時代に訪れたプカンボジアのプノンペンであった女の子がきっかけです。
家に泊まらせてもらうほど仲良くなり、必ず再会すると約束して帰国。2年後、再び訪れたプノンペンの地に彼女の姿はありませんでした。
「出産」が原因で亡くなっていたのです。当時カンボジアでは、医療従事者の付き添いなく自宅で出産しするケースが多く命を落とす女性が珍しくありませんでした。
帰国後『UNFPA世界人口白書』でカンボジアについて調べたところ、当時のカンボジア女性の平均寿命は38歳。さらに、ネパールやアフガニスタンなどまだまだ世界には出産で亡くなる人が多い地域があると知り驚きました。国や地域で女性が置かれた状況や死のリスクが変わるこの世界を変えたいと考え、ジョイセフに入団しました。」

―――日本では信じがたいことですよね。今でも出産で命を落とす人は多いのですか?

「今でも世界では妊娠や出産が原因で命を落とす女性は1日に約830人いるとされています。
また途上国の10代の女性の最大の死因が妊娠・出産・中絶です。ジョイセフでは、途上国の若い女性や男性たちに妊娠や出産にまつわる知識を伝えたり、妊産婦さん向けの施設を建てるなど、ソフト・ハード両面から支援しています。」

夫婦別姓を選んだご主人との子育て

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産後も変わらずアクティブにお仕事をされている小野さん。【I LADY.】の活動も加わり、出張や休日出勤もこなされています。どのように仕事と家庭を両立されているのでしょうか

―――毎日のスケジュールを教えてください

06:00 起床。洗濯干し、朝食と夕食の下準備

06:30 長女が起床

06:40 次女が起床 

06:45 朝食

07:10 長女登校
    保育園の準備、自分の身支度など

07:40 自宅を出て保育園へ

08:10 新幹線で出勤 (パソコン作業)

09:20 出社

15:00 帰宅時間を夫と長女に電話(LINE)連絡

17:00 夫が次女を迎えに行き、長女・次女を風呂に入れる

17:30 退社。新幹線で帰宅

19:00 家族全員で夕食。だんらん

20:15 次女寝かしつけ

20:30 長女と女子会

21:30 長女就寝 夫と飲み直したり、残りの仕事があればする

24:00 就寝

―――ご主人がとても協力的ですね、ご主人とは夫婦別姓を選択されていますがどのような経緯だったのでしょうか

「先のような私の実家の状況を見て、当時交際中だった主人が「小野姓を名乗る」と言いだしたんです。
でも主人自身も彼の実家の稼業を継いでいる長男。彼の提案は現実的とは思えませんでした。色々と考えたのですが結局、お互いの姓を名乗ったまま事実婚とすることが1番自然だったんです。

娘たちは私の姓ですが、娘たちの名前を、夫の籍にも記載されるように夫が胎児認知をしました。子供が産まれてからも、実はあまり困ったこともなくて。私たちらしいパートナーシップの在り方だと感じています。」

―――働くママとしておすすめの息抜き方法やアイテムを教えてください

Michiyo ONOさん(@314insta)が投稿した写真


(小野さんのインスタグラム。満月の夜は仲間とランニング)

「Googleカレンダーで夫とスケジュールを共有しています。また意外と(?)Facebookやインスタグラムの投稿で外出や出張が多い私の情報を夫と共有できていて便利です。」

―――ママプラで気になった記事は?

「ゲストが来る時のおもてなしレシピはとっても参考にしています。好きなコーナーはコラムです。働く女性にはぐっとくる記事、共感できる記事がたくさんあります」

まとめ

性・生・姓。3つの『せい』から女性の在り方を真摯に問い続ける小野さん。不平や不満を訴えるのではなく、あくまでポジティブに発信し続ける姿勢が印象的でした。ママプラでは、私たちにとって切っても切り離せない『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ』や女性の生き方をグローバルな視点や事例を交えて小野さんに執筆いただく予定です。また小野さんが共に活動する【ILADY.】アクティビストの皆さんとのお話もご紹介いただきます。どうぞお楽しみに。

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