時短勤務の法律やお給料、その注意点とは…?ママが気になる8ポイント
子供が小さい間は働きたくても育児と家事があり満足にフルタイムで働くことができません。
また、子供が保育園や幼稚園へ通い始めても、長時間勤務はできないママも多いでしょう。そこで今回は知っておくと便利な、時短勤務の方法やお給料、仕事を始める際の注意点などポイントを8つご紹介します。
ポイント①時短勤務(短時間勤務)は誰にでもできるの?
時短勤務は誰にでもできるわけではありません。「短時間勤務制度」という法律で定められた条件に該当する場合、適用することができます。
その条件とは、まず3歳未満の子供を育てていること。育児のために短時間勤務ではないと働くのが難しい人が対象になります。子供が3歳以上の場合、企業努力として小学校入学まで短時間勤務を認めている会社もあるので、その点は会社に確認する必要があります。
ポイント②時短勤務(短時間勤務)とは?法律があるの?

時短勤務とはその名の通り、時間を短縮し、働くことができる制度のことです。
「短時間勤務制度」という法律に基づき、就業規則に規定するよう制度化が企業に義務付けられています。
実質労働時間8時間をフルタイム勤務だとすれば、短時間勤務は実質労働時間が6時間以内となります。
この制度は、1年以上雇用されている方、パートの方なども適用されます。ただ、1日の労働時間が6時間以内の方はこの制度が適用されないので注意が必要です。
「短時間勤務制度」は、働くママのため、産後仕事に復帰したいママのために作られました。「一億総活躍社会」に向けて雇用に対する国の支援も以前より強化されています。専業主婦からブランクがあっても働き始めやすいように、転職サポートなどにも国が力を入れ始めています。時短勤務にあたって条件面で折り合いがつかない場合は、そちらの利用もあわせて検討してみてもいいかもしれません。
ポイント③時短勤務のメリットやフルタイムとの違い
出産後、子供を生後6カ月から保育園に預けてフルタイムで働くのはとても難しいことです。子供が風邪を引くかもしれませんし、インフルエンザや突発性発心、胃腸炎や水ぼうそうなどに感染する可能性もあります。
当然子供が病気になったら看病をしなくてはいけません。そうなるとフルタイムで働くことが育児の障害になり得ます。その点、時短勤務であれば時間に余裕が持て、急な休みでも融通が効くと言うママが多いです。企業としてもそれを織り込んだ上での雇用となるため、対応にゆとりが持てると言うわけです。
また、出産するために仕事をやめてしまった人でも、ブランクを空けることなく働き始めることができるというメリットもあります。体力を温存して働きつつ、フルタイムに戻る検討期間をもつことができます。短時間とはいえ、働くことが自体が子育てのリフレッシュになると言うママも多いみたいですよ。
ポイント④時短勤務のデメリット!お給料はどうなる?
時短勤務のデメリットとして一番ママからあがるのは給与が下がることです。フルタイムで働くのと同じ分給料がほしいと思っても、時間分の給料しかもらうことができないため、年収は低くなることがほとんどです。法律では短時間勤務について定められていますが、短縮された時間は賃金が保証されていません。時間が短いほど給料は少ないですし、休んでしまうと支給されません。時短勤務で働くことは、子育てと仕事のバランスを保つことができますが、その分経済面ではマイナス面もあることを認識しておきましょう。
また、企業によっては短時間で雇用される分、業務の難易度の低い仕事を与えられることが多いのも事実です。短時間勤務制度開始にあたって会社と相談する際に自分のミッションについても擦り合わせをすることが望ましいでしょう。その時のポイントとしてはフルタイムの頭で考えないことです。あくまで与えられた時間の中で、自分のキャリア形成を考えてみてください。業務が抱えきれないと結果として同僚に迷惑をかけることになり、それに負い目を感じてしまうママも多いようです。現場の理解を得る意味合いでも、協議を重ねた上で復帰を目指しましょう。
ポイント⑤フルタイムと時短勤務の給料の差

給与面について、少し掘り下げてみましょう。
フルタイムで働く方と時短勤務で働く方の給与の差を計算してみましょう。
あくまで概算ですが、以下の公式にあてはめて計算できます。
■時短勤務時の給与計算
①フルタイムの場合:8(時間)×5(日)×4(週)=160(時間)
②時短勤務の場合:6(時間)×5(日)×4(週)=120(時間)
③①・②より:[時短勤務時の給与]=[フルタイム時の基本給]×120(時間)/160(時間)
上記より、時短勤務は、フルタイムに比べて1か月で40時間ほど勤務時間に差が生じ、その分の給料が下がることになります。これに加えて、勤務時間が短くなる分、賞与や昇給・手当などの査定においてマイナスに評価される場合もあり、会社の制度等を前例含めて確認する必要があります。
あとで後悔しないためにも、給与条件に関しても会社としっかり交渉することが大切ですね。
ポイント⑥時短勤務で働くママの体験談と口コミ
勤務時間が8割になり、役職手当がつかないため、新卒よりも低い給料しかもらえない、働けるだけマシと言った体験談があります。基本的に、短時間勤務の「短縮された時間」の給与分は引かれると法律で決まっているので、給料面に関してのデメリットは否めません。
時間が減る分給料が減るということは理解の上ですが、仕事が終わらず延長保育(毎月の保育料に延長料金)をして働いていたら、元も子もありません。一方でこんな意見もあります。
仕事はハードですが決められた就業時間に毎日帰っています。残業できない理由を復帰する際に上司や同僚にきちんと説明して理解をしてもらったことが大きかったと思います。」
どのように仕事を遂行していくのかをより考えるようになったという声も多く聞かれます。では、マネージメントをする上司は時短制度を使うママについて、どのようなことを思っているのでしょうか。
時短勤務のママをクライアントにもつ営業さんからはこんな意見がありました。
時短勤務は限られた時間だからこそ、周りの人に協力をしてもらっているということを忘れないことが大切なんですね。
ポイント⑦時短勤務にはこんなルールもある!

時短勤務に関する制度では、「所定外労働の制限」も課されています。小さい子供がいる方は、企業に対して「時間外労働をさせてはいけない」・「深夜労働を断ることができる」・「残業時間の上限を決めることができる」というルールが設けられています。
働き始めるとやはりやりがいが生まれますし、働くことが楽しいと思えるでしょう。育児と仕事、そして家事を両立させることができると充実感も持つことができます。そこで、急な残業を言われたり、頼られたりすることは嬉しいことですが、小さい子供がいる以上、融通が効くようにこのようなルールが設けられています。
会社側から無理な要求をされたときに備えて、時短勤務を考えている方は覚えておきましょう。短時間で働くと自分で決めた意味を考え日々行動することが重要です。
ポイント⑧時短勤務からフルタイムに戻す方法!

子供が3歳以上になったら、会社の設ける時短勤務制度を利用していたとしてもフルタイムで働いてしっかり稼ぎたいところです。2時間減るだけで4~6万円という給料が減るのですから、1日2時間追加で頑張ってたくさん稼げた方が良いですよね。
フルタイムへ戻すタイミングは人それぞれです。「そろそろ子供も体が強くなったし、フルタイムに戻そう」と考える方もいれば、「小学校に上がってから」と決める方もいます。
まずは、会社に相談をしましょう。フルタイムで働くことができるか、もし働けないのなら転職先を探すなどの方法があります。代わりに、フルタイムで働くと出張があるかもしれない、残業があるかもしれない、なども考慮しておきましょう。
まとめ
子供を持つママにとって、短時間勤務制度は働くためのとても心強い制度です。家族以外にも関わる人が増える分、双方に対してのコミュニケーションがより重要になります。メリット・デメリットを把握した上で、子育てと仕事の両立に向けて時短勤務も検討してみてくださいね。
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